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ロリロリさん座談インタビュー

自転車に乗ったオタクは
琵琶湖を一日で三周しました。

 

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No.2 ロリロリさん

amaterasu.matsumoto 公開日2023年5月8日


※この記事は2ページあります

 

辻井さん31歳(仮)

 

インターネットでの活動ネームは”ロリロリ”。もうエキセントリック。

輪界でちょっとした有名人かもしれない。

2018年、24時間以内に琵琶湖3周を果たした。

僕が調べた内では、彼以前に瀬田の唐橋と賤ヶ岳にある湿ったトンネルを日に3度通り抜けた変わり者の情報は存在しない。

他にも九州一周や、滋賀から自走での東北ライド、中部地方を一周..etc

長距離をやる人間にしてはまだまだ若手の部類に入ると思うが、ブルベ等の王道的なロングライドイベントに姿を現すこともなく、SNSもあまり自我の匂わせない日記帳のような使い方をしている為、本人像が見えてこず、既に伝承で知る存在となりかけている。

 photo: amaterasu.matsumoto 

(松本

初対面にもかかわらず、いきなり今週会えませんか、なんて無礼を快諾してもらえてありがとうございます。

 

(辻井)

いえいえ、誰かにしっかり自分の話をする機会は初めてなんで楽しみにしています。

 

(松本)

辻井さん。今、なかなかクールジャパンな服を着ていますよね。

これ東方のなんかですよね。

 

(辻井)

東方プロジェクトに出てくるスカーレット姉妹の妹、フランドール・スカーレットです。

カジュアルでいいと言われたのでこの服装で来ました。普段からこんな服装なので。

photo: amaterasu.matsumoto 

ハンドルネームがロリロリの時点で、これはもう相当な傾奇者が登場するのだろうと想像していた。

 

実際、滋賀の片田舎の駅前に高級自転車で現れたのは、いわゆる痛Tシャツを普段着で着るという男性。

 

僕達の待ち合わせが、都心の電気街で行われていれば、街と迎合したのだろうが、平和堂の城下町のようなこのベットタウンでは、帰宅ラッシュに現れる制服とスーツの質素な色調と相まって、それこそ城主のように目立っていただろう。

 

通りかかったの女子高生の団体がクスクス笑っていて、何故か僕が羞恥心に襲われた。

photo: amaterasu.matsumoto 

(松本)
自己紹介をしていただいてよろしいですか。

 

(辻井)

辻井、31歳です。

ネットではロリロリという名前で活動しています。

製造関係の仕事をしており、休みの日は主にロングライドをしています。

でも最近はあんまり長距離を走れてはいませんね。

 

(松本)

ん?ロリロリさんのStrava見てますけど、200〜300㎞とかは月に何度も走ってません?

 

 

(辻井)

それは短距離ですね。

 

(松本)

そうですか…。(カルチャーショック)

 

自転車を始めた経緯を教えてください。

 

(辻井)

ロードバイク自体は7年程前から始めました。

でも、自転車で遠くに行ったりは中学の頃からやっていましたね。

ママチャリでよく遠くに行っていました。

 

(松本) 

遠くっていうと。

 

(辻井)

最初は京都とかですね。

滋賀から京都に行くビギナーは東山トンネルまでの坂が関門なんですよ

あれ初心者にはホントにきついです。でも足つきなしで登れましたよ。

 

(松本) 

京都とかだと、ここから往復50kmくらいだし、たしかに頑張ればママチャリでも行けますね。

 

(辻井)

京都だけじゃなくて、200km300kmとかもママチャリで走っていましたよ。

 

(松本) 

わー。

 

(辻井)

神戸とか名古屋の往復をしていましたね。

高校はワンダーフォーゲル部だったんで体力もありましたし。

 

(松本)

ワンダーフォーゲル?登山部みたいなやつですよね。

 

(辻井)

はい。岩壁とか登ってたワケじゃないんですけど。競技登山のような大会には出ていました。

 

(松本)

登山のパルスの立つ動きって自転車に近いっていう人もいますし、メリットはありそうですね。

 

photo: amaterasu.matsumoto 

(松本)

今みたいなロードバイクにはいつ頃乗り換えたんですか?

 

(辻井)

社会人になってからですね。働き始めると長い休みが中々取れなかったんですよね。

そんな状況でなるべく遠くまで行くにはどうしたらいいのか考えた結果、

ロードバイクを買うことにしました。

今はLOOK795に乗っていますが、その時はメリダのエントリーモデルを買いました。

やっぱり走りが滅茶苦茶軽かったですねー。ママチャリやクロスとは生物学的に違う的な。

 

(松本)

そこからロードに慣れていって。ビワサン(琵琶湖3周)に挑戦することになった…?

 

(辻井)

いや挑戦ってほど大層なものじゃないんですよ。

準備とか、特に何もしていないし。

別にそれ程、熱意に動かされてやった事でも無かったんですよ。軽い気持ちで始めた。

でもシカに突撃して足止め食らったりきつかったですよ。

 

(松本)

アニマルアタック! 琵琶湖北側の北側だとよくあるやつ。

ビワサンまでには凄いドラマがあったんだと勝手に想像していました。

でも凄いですよね。一日で琵琶湖を自転車で三周してやろうって、正直、狂気を孕んでるじゃないですか。なんでやろうと思ったんですか?

 

(辻井)

SNSだと僕以前にフルでビワサンした人の情報って何もないんですよね。ビワニはいたかな。

でも僕自身はショップの店員さんから、琵琶湖を三周した人がいるって話を聞いたんで始めたんですよ。

 

(松本)

えー、それ誰なんやろ。最初ではなかったのか。

 

(辻井)

多分。

 

(松本)

ビワサンってロリロリさん以降結構やっている人いるじゃないですか。

 

(辻井)

そうでしたっけ。

 

(松本)

はい。でもいろんな人が達成したらエベレスティングと一緒で、そのうち飽和してきて、一段回上の挑戦を始める人がいると思うんですよ。

僕はそろそろビワヨンする人が出てくると思うんですけど、ロリロリさんはどうですか。ビワヨンは考えていますか。

 

(辻井) 

あー、それ実は一度挑戦しているんですよ。

 

辻井さんのStravaでのビワサンのログ

(辻井)

ビワサンが2018年だったからその3年後の2021年でしたっけ、にやりました。

2周目だったかなー、眠すぎるし寒すぎるしヤメましたね。眠いのは無理なんですよね。

 

(松本)

日を跨ぐようなライドになると、20代30代の若い人ほど眠気に苦しんでいるイメージがありますね。

PBP(パリ~ブレスト〜パリの1200㎞を走る自転車イベント)を走る三船さんが、不眠で走る必要が出てくる距離ほど年を重ねた選手のほうが有利になるってポッドキャストで言っていたような気がする。

 

(辻井)

うーん、原因が年齢なのかはわからないんですが24時間以上走るのって、僕には眠いし、仕事との兼ね合い考えても難しいですね。

ビワヨンってなると、フルの4周だと770kmぐらいあるので、これをグロスで24時間以内に走り切るのは無理がある。

だから今は北湖のみでのビワヨンを考えています。

 

(松本)

北湖だけだと600㎞くらい…?

大阪東京のキャノンボールで550㎞くらいだった筈だから、

できないことはなさそうですけど、景色ワンパターンだし精神的にきそうですね(笑)

周回ごとにアシスト付けたりしたら楽に達成できそうですけど、アシストは考えていますか。

 

(辻井)

いややっぱり単独じゃないと意味がないと思いますね。

特に琵琶湖みたいなド平坦だと先頭を走るペーサーがいると楽すぎますし。

 

(松本)

それは確かにそうか。まあ明確なレギュレーションがあるわけではありませんが、

単独のほうが達成した時のインパクトは強そうですね。応援します。

ちなみにいつ頃やろうかと考えています?

 

(辻井)

前回失敗したときが12月だったんですけど、まぁ普通に考えて、スピードの乗らない冬にするのはあり得ないんですよね(笑)

 ちょうど今ぐらいがベストですね(当時4月下旬)。春か秋が理想です。

今年やるかもしれないし、やらないかもしれない。

 

(松本)

期待しています。

 

 

 

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